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胸痛と漢方薬

 一般外来の3%弱のかたが胸が痛いと訴えられます。怪我が原因出なければ、まず心臓や大血管からの痛みがどうかを診断します。次に肺、上部消化器(食道、胃、十二指腸、胆嚢、膵臓など)、筋骨格神経系疾患、乳房の疾患かどうかを診断し、そうでなければうつ病などを考えます。激しい痛みや全身状態が悪い場合は、まずかかりつけ医か救急病院で見てもらいましょう。心電図、胸のエックス線写真、採血、血管造影、CTなどの検査をします。  これらの病気のうちで胃炎、逆流性食道炎、肋間神経痛などの痛みで胃酸の分泌を抑える薬や鎮痛剤で症状が取りきれない場合に漢方薬が良い適用になります。胃炎、逆流性食道炎の場合、茯苓飲(ぶくりょういん)、安中散(あんちゅうさん)、四逆散(しぎゃくさん)、平胃散(へいいさん)などが、肋間神経痛には桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、当帰湯(とうきとう)などを処方します。 次回は7月15日更新予定です。