投稿

インフルエンザなどの感染症の後の咳

インフルエンザの流行が続いています。 インフルエンザは診断がつけば内服薬(タミフル、ゾフルーザ)、吸入薬(イナビル、リレンザ)、注射薬(アピアクタ)などの抗ウイルス剤で早く症状が取れるようになりました。しかしこじれてしまったり、自己判断で治療を中断したりして、治療が充分に行われていない場合には熱や痛みが取れても咳(とくに空咳)が続くことがあります。感染後咳といいます。抗生物質やステロイド内服・吸入をするとよくなることが多いですが、漢方薬がお勧めです。当院では五虎湯(ごことう)、麻杏甘石湯(ま きょうかんせきとう)をベースに柴朴湯(さいぼくとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)などを組み合わせて治療しています。多くは1週間くらいで症状が半減し、2、3週間くらいでほぼ回復していきます。お年寄りや虚弱者で五虎湯、麻杏甘石湯が胃にこたえて飲めない人は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)や桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)などを内服してもらっています。 次回2月14日更新の予定です

エアコン咳

7月の終わりくらいから咳が出始めて止まらないと訴える方が受診するようになりました。 多くの人がアレルギー体質で風邪をきっかけに咳が出始めたと訴えています。エアコンのダストを吸っているうちにほこりに感作され、ウイルスの感染をきっかけにアレルギー性の咳が出始めたと考えています。 当院では風邪の治療をまず行ってからアレルギー咳の漢方薬を処方しています。腎を調節する 五虎湯(ごことう)、神秘湯(しんぴとう)、脾を調節する麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を中心に治療します。効果は数日で出ますが、治るまでには3週間から4週間かかることがほとんどです。

認知症と天王補心丹

天王補心丹(てんのうほしんたん) 中年以後老年期の男女の初期の健忘の治療に使われてきた処方の一つです。 1600年頃に作られた処方で中国古典の『万病回春4巻・健忘』に載っています。 原典「心をやすんじ、神を保ち、血を益し、精を固くし、力を壮んにし、志を強くし、 人をして忘れざらしめ、 征忡(せいちゅう:動悸の一種)を除き、驚悸を定め、三焦(漢方の臓腑の一つ)を清し、痰涎を化し、煩熱をさり、咽乾を療し、心身を養育す。」 構成(黙堂柴田良治処方集):人参3g、五味子3g、当帰4g、天門冬4g、麦門冬6g、柏子仁3g、玄參2g、丹參3g、茯苓6g、桔梗3g、遠志2g、地黄4g  当院処方では以上の生薬を末とし蜂蜜で丸薬としています。1回2g・1日3回内服   適応(黙堂柴田良治処方集) 高血圧症 糖尿病 腎炎  健忘症  不安神経症 陰萎 強壮 強精 五臓の心(神志、理性、意識)が弱ったり不安定になったりしたときに使います。 当院では本年8月に入ってから処方をはじめました。まだ認知症の予防薬としての処方の経験はありませんが、使える可能性はあります。ご相談ください。