認知症と天王補心丹

天王補心丹(てんのうほしんたん)
中年以後老年期の男女の初期の健忘の治療に使われてきた処方の一つです。
1600年頃に作られた処方で中国古典の『万病回春4巻・健忘』に載っています。
原典「心をやすんじ、神を保ち、血を益し、精を固くし、力を壮んにし、志を強くし、人をして忘れざらしめ、征忡(せいちゅう:動悸の一種)を除き、驚悸を定め、三焦(漢方の臓腑の一つ)を清し、痰涎を化し、煩熱をさり、咽乾を療し、心身を養育す。」

構成(黙堂柴田良治処方集):人参3g、五味子3g、当帰4g、天門冬4g、麦門冬6g、柏子仁3g、玄參2g、丹參3g、茯苓6g、桔梗3g、遠志2g、地黄4g 
当院処方では以上の生薬を末とし蜂蜜で丸薬としています。1回2g・1日3回内服  

適応(黙堂柴田良治処方集) 高血圧症 糖尿病 腎炎 健忘症 不安神経症 陰萎 強壮 強精
五臓の心(神志、理性、意識)が弱ったり不安定になったりしたときに使います。

当院では本年8月に入ってから処方をはじめました。まだ認知症の予防薬としての処方の経験はありませんが、使える可能性はあります。ご相談ください。

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