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スギ花粉症と漢方薬

インフルエンザは今も流行しています。学級閉鎖の小中学校もまだあるようです。手洗いと咽の乾燥予防が大切です。
 松山では椿さんも終わりこれから暖かくなってきます。当院にも2月のはじめくらいから天気の良い日は、鼻がむずがゆく、くしゃみが出る人が診察にこられ始めました。スギ花粉症の始まりです。6人に1人が罹っているといわれる国民病です。杉花粉に感作されている人の鼻粘膜に花粉がくっつくとアレルギー反応を起こす病気です。現在はよいアレルギー薬ができて、1日1回か2回内服すると症状をかなり抑えられます。舌下にスギのエキスを含ませてスギの花粉にまけないようにする方法や、鼻粘膜自体をレーザーで焼ききる方法もあります。
 漢方薬も効果があります。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)のように発散させる薬方や苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)などのように水分をさばいてしまうお薬が効果的です。漢方薬でも充分な効果が得られないときは抗アレルギー剤を併用しますが多くの場合少なくてすみます。漢方薬は眠くならないの一番の利点です。 次回3月1日に更新予定です。

インフルエンザなどの感染症の後の咳

インフルエンザの流行が続いています。インフルエンザは診断がつけば内服薬(タミフル、ゾフルーザ)、吸入薬(イナビル、リレンザ)、注射薬(アピアクタ)などの抗ウイルス剤で早く症状が取れるようになりました。しかしこじれてしまったり、自己判断で治療を中断したりして、治療が充分に行われていない場合には熱や痛みが取れても咳(とくに空咳)が続くことがあります。感染後咳といいます。抗生物質やステロイド内服・吸入をするとよくなることが多いですが、漢方薬がお勧めです。当院では五虎湯(ごことう)、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)をベースに柴朴湯(さいぼくとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)などを組み合わせて治療しています。多くは1週間くらいで症状が半減し、2、3週間くらいでほぼ回復していきます。お年寄りや虚弱者で五虎湯、麻杏甘石湯が胃にこたえて飲めない人は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)や桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)などを内服してもらっています。 次回2月14日更新の予定です

エアコン咳

7月の終わりくらいから咳が出始めて止まらないと訴える方が受診するようになりました。
多くの人がアレルギー体質で風邪をきっかけに咳が出始めたと訴えています。エアコンのダストを吸っているうちにほこりに感作され、ウイルスの感染をきっかけにアレルギー性の咳が出始めたと考えています。
当院では風邪の治療をまず行ってからアレルギー咳の漢方薬を処方しています。腎を調節する 五虎湯(ごことう)、神秘湯(しんぴとう)、脾を調節する麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を中心に治療します。効果は数日で出ますが、治るまでには3週間から4週間かかることがほとんどです。

認知症と天王補心丹

天王補心丹(てんのうほしんたん)
中年以後老年期の男女の初期の健忘の治療に使われてきた処方の一つです。
1600年頃に作られた処方で中国古典の『万病回春4巻・健忘』に載っています。
原典「心をやすんじ、神を保ち、血を益し、精を固くし、力を壮んにし、志を強くし、人をして忘れざらしめ、征忡(せいちゅう:動悸の一種)を除き、驚悸を定め、三焦(漢方の臓腑の一つ)を清し、痰涎を化し、煩熱をさり、咽乾を療し、心身を養育す。」

構成(黙堂柴田良治処方集):人参3g、五味子3g、当帰4g、天門冬4g、麦門冬6g、柏子仁3g、玄參2g、丹參3g、茯苓6g、桔梗3g、遠志2g、地黄4g 
当院処方では以上の生薬を末とし蜂蜜で丸薬としています。1回2g・1日3回内服  

適応(黙堂柴田良治処方集) 高血圧症 糖尿病 腎炎 健忘症 不安神経症 陰萎 強壮 強精
五臓の心(神志、理性、意識)が弱ったり不安定になったりしたときに使います。

当院では本年8月に入ってから処方をはじめました。まだ認知症の予防薬としての処方の経験はありませんが、使える可能性はあります。ご相談ください。