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気管支喘息と漢方薬

 秋分が過ぎ10月8日は寒露。朝夕が肌寒くなりました。65歳以上のかたのインフルエンザの予防接種も10月1日から始まります。そろそろ風邪がはやり始める時期です。特に今年は新型コロナウイルス感染症にも注意が必要です。この時期にアレルギー体質の人が風邪をひくと咳が止まらなくなったり、喘息もちの人は喘息が悪化しがちになります。  気管支喘息の治療はガイドラインに従って治療します。基本は炎症を抑えるために吸入ステロイドを用います。さらに気管支を開くテオフィリン製剤、アレルギー反応を抑えるロイコトリエン受容体拮抗薬など、さらに重症の場合は交感神経作動薬入りステロイド吸入、経口ステロイドなどを併用します。  漢方薬で治療する喘息は軽症のものが主となります。その場合でも多くの場合は吸入ステロイドを併用します。実際の治療は患者さんを症状や漢方的診察で肝‣心(心包)・脾・肺‣腎の五つのグループ(五蔵)に分類します。漢方薬処方としては、腎の働きを調整する 五虎湯 (ごことう)、 神秘湯 (しんぴとう) 苓甘姜味辛夏仁湯 (りょうかんきょうみしんげにんとう)など、脾の働きを調整する 麻杏甘石湯 (まきょうかんせきとう)喘四君子湯(ぜんしくんしとう)など、心(心包)の働きを調整する 小青竜湯 しょうせいりゅうとう) 柴朴湯 (さいぼくとう)を用います。 漢方薬は一見対症療法に見えますが経脈(けいみゃく)というネットワークを通じて五臓の働きを調整し、全身状態を改善するため病気を起こりにくくします 。     次回は11月末に更新します