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便秘と漢方薬

 漢方治療を求める方に便秘で困っている人は多いと思います。特に女性は詳しく話を伺うと半分以上の方が便秘を訴えられます。  便秘はまず、それが大腸癌やイレウスのように腸を閉塞していて手術が必要なものか、腸がふさがっていなくても腸の炎症やや胆石症などの内臓疾患、ホルモンや電解質異常、腸を動きにくくする薬の内服などがないかを調べて原因があればその治療をすることが大切です。それらの原因がない機能性便秘は西洋薬では、酸化マグネシウムなどの機械的下剤、ヒマシ油、センナ、ビコスルファートナトリウム水和物などの刺激性下剤、その他腸腺分泌促進剤などを使います。  機能性便秘は漢方の出番が多い疾患の一つです。大腸の働きで弛緩型、直腸型、痙攣型に分けて、弛緩型では大建中湯(だいけんちゅうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などを、直腸型では大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)など、痙攣型では桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)などを使うと効果があります。女性ではホルモンバランスを整え骨盤のうっ血(お血)を治すだけで便秘がよくなることもあります。もちろん生活習慣改善として繊維質の多い食事をとり運動を心がけてください。 次回4月15日更新予定です。

めまいと漢方薬

めまいは、回転性めまい、浮遊感、失神、痙攣のいずれかにわけられます。回転性めまい、浮遊感は神経系、循環系に異常があることが多く、まれに自律神経障害、更年期障害などの全身性疾患があります。神経系は内耳、前庭に原因がある末梢性と脳幹、小脳に原因がある中枢性のものがあります。循環系では不整脈、高血圧、急性大動脈解離、完全房室ブロックなどがあります。耳鳴、難聴、頭痛、胸痛、手足のしびれ、麻痺などの症状に注意して耳鼻科、脳外科、循環器科などで原因を調べる必要があります。失神、痙攣は循環器内科、神経内科で精査してもらいましょう。
 原因療法とともに、吐き気止め、抗めまい薬を使って治療します。末梢性でもっとも頻度が多い良性発作性頭位めまいはEpley法で耳石を治めることもします。
 漢方治療では沢瀉湯(たくしゃとう)が第一選択薬です。この処方はエキス剤にはありませんが、沢瀉(たくしゃ)、白朮(びゃくじゅつ)の2味からなる処方で、生薬を処方してもらえば簡単に作ることができます。2000年ほど前に編纂された金匱要略(きんきようりゃく)に載っている処方で「胸部からみぞおちに水分が滞っていて頭にかぶるようなめまいをする場合に使う」(意訳)と書かれています。回転性めまい、浮遊感の両方に使います。他に立ちくらみがメインの時は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方します。浮遊感が中心の時に真武湯(しんぶとう)が卓効することがあります。次回3月20日更新予定です。