不眠と漢方薬

 春眠暁を覚えず。春は何となく体が重くつい朝寝をしてしまう方も多いと思います。しかしながら年度替わりの忙しさで体調や生活リズムを崩したりして、よい睡眠を取れない人が多くおられます。
 睡眠障害には眠りに入りにくい場合(入眠障害)、途中で起きてしまってそれから眠れない場合(中途覚醒)、朝早く起きてしまう場合(早朝覚醒)、ぐっすり眠った満足感が得られない(熟眠障害)があります。原因としてストレス、高血圧。糖尿病などのからだの病気、うつ病などの心の病気、薬物や刺激物、生活リズムの乱れ,環境があり、それぞれの原因に対する対処が必要です。原因や生活習慣の調整で改善せず、日中のねむけや集中力が起きる場合は薬物を用いることがあります。
 西洋薬の場合ベンゾジアゼピン受容体作動薬で催眠を誘ったり、メラトニン受容体作動薬で睡眠リズムを整えたり、オレキシン受容体拮抗薬で覚醒をコントロールしたりします。うつ病や精神疾患の場合は抗うつ剤、抗精神病薬を用います。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は依存を起こさないように短期間の使用にとどめることが大切です
 漢方薬の場合、依存性の心配はありません。入眠しにくい場合は興奮をおさえる黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)抑肝散(ヨクカンサン)など、中途覚醒には安心させる目的で柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)など、朝早く起きるときは血のめぐりを調節するために、加味帰脾湯(カミキヒトウ)、帰脾湯(キヒトウ)などを使います。いずれの場合にも睡眠障害が続く場合は酸棗仁湯(サンソウニントウ)を併用します。 次回は6月に更新予定です。
参考資料(厚生労働省 e-ヘルスネット 不眠症 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html)

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