便秘と漢方薬


 漢方治療を求める方に便秘で困っている人は多いと思います。特に女性は詳しく話を伺うと半分以上の方が便秘を訴えられます。
 便秘はまず、それが大腸癌やイレウスのように腸を閉塞していて手術が必要なものか、腸がふさがっていなくても腸の炎症やや胆石症などの内臓疾患、ホルモンや電解質異常、腸を動きにくくする薬の内服などがないかを調べて原因があればその治療をすることが大切です。それらの原因がない機能性便秘は西洋薬では、酸化マグネシウムなどの機械的下剤、ヒマシ油、センナ、ビコスルファートナトリウム水和物などの刺激性下剤、その他腸腺分泌促進剤などを使います。
 機能性便秘は漢方の出番が多い疾患の一つです。大腸の働きで弛緩型、直腸型、痙攣型に分けて、弛緩型では大建中湯(だいけんちゅうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などを、直腸型では大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)など、痙攣型では桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)などを使うと効果があります。女性ではホルモンバランスを整え骨盤のうっ血(お血)を治すだけで便秘がよくなることもあります。もちろん生活習慣改善として繊維質の多い食事をとり運動を心がけてください。 次回4月15日更新予定です。

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