ストレスと漢方薬

 ストレスで健康をそこなっているひとが増えています。特にコロナが徐々に広まっている今、食べて飲んでの憂さ晴らしも控えなければいけなくなりました。また仕事のデジタル化などで仕事のやり方が変わり、結構なストレスになっている場合もあるようです。当クリニックを訪れる方で30%くらいは何らかの手当が必要なストレスを抱えています。

 漢方薬治療を行っていますとこの処方で効果があるはずだと思うのに効果がないことがあります。多くの場合は風邪をひいている(ウイルス感染が続いている)か、ストレスのために薬に体が反応しないときです。風邪の場合はまずその治療を行ってから、その人の困っている症状を治療する漢方薬を処方します。ストレスが影響しをている場合は、ストレスを調節する漢方薬を単独でゆくか、最も困っている症状を改善する漢方薬とストレスの薬を兼用します。

 ストレスの原因でもっとも多いのは親の病気・介護の問題、次いで家庭内の問題(子供や配偶者の病気、子供の不登校など)、あと仕事の人間関係、自分の健康の問題・お金の問題とつづくようです。これらのストレスは初めは自覚しにくく、しかも慢性化しやすいものです。心療内科・精神科を受診して抗精神病薬・抗うつ剤を飲んでいる方も多いです。

 漢方診断的には心包経・三焦経、肝経・胆経という漢方でいう流れ(経脈)が乱れています。肝経・胆経の乱れのある人はイライラしていることが多く、漢方薬では柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、こじれてしまっているときは四逆散(しぎゃくさん)などを処方します。心包経・三焦経が乱れている場合は、ある程度時間が経っていることが多く、加味帰脾湯(かみきひとう)、帰脾湯(きひとう)、抑肝散(よくかんさん)などを処方します。薬の効果が出てくれば徐々に減薬し、廃薬します。ストレスの影響が取れれば残っている症状は素直に治療に反応することが多いようです。

次回は令和3年1月末に更新予定です

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