頭痛と漢方薬

 頭痛は頭の中(腦脊髄)や外(顔面、頭頚部筋肉皮膚)に加えられた刺激が大脳皮質に伝えられて起こります。外傷がないかどうかを先ず調べ、なければ1次性頭痛(原因不明)、2次性頭痛(頭蓋内、顔面、全身の病気など原因がはっきりしているものによる)に分けて治療します。

 1次性頭痛は、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛に分けられます。漢方薬はそのうち、片頭痛、緊張性頭痛に効果があります。片頭痛は多くは片側に起こり、痛みは拍動性でアルコール、チョコレート、赤ワインなどが誘引となることがあります。吐き気や光がまぶしかったり、ギザギザの光を感じる前駆症があったりします。神経伝達物質のセロトニンが関係しているので、セロトニン受容体作用薬のスマトリプタンを内服するのが標準です。鎮痛剤も兼用します。漢方薬では呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を使います、吐き気には二陳湯(にちんとう)小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)、むくみあれば五苓散(ごれいさん)を併用します。

 緊張型頭痛は頭両側の圧迫、締め付けられる感じの頭痛でストレスが基本にあることがほとんどです。鎮痛剤(ジクロフェナックNa,アセトアミノフェンなど)を使います。スマトリプタンを併用することもあります。漢方薬では葛根湯(かっこんとう)葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)を使います。ストレスの関与が多ければ抑肝散(よくかんさん)、女性で更年期症状があれば桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)なども併用します。

群発頭痛は片側で眼の周囲こめかみのあたりを中心に激しく爆発的な痛みを生じます。たばこ、アルコールなどが引き金になることがあります。酸素吸入やスマトリプタンで治療します。漢方薬では急性期には呉茱萸湯、五苓散を、慢性期には清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)などを使いますが、漢方薬のみでは十分な効果が得られず、スマトリプタン、鎮痛剤を併用することがほとんどです。

2次性頭痛はそれぞれの原因に対する治療を行います。

 頻度は少ないですが脳血管疾患、脳内感染症、脳腫瘍、緑内障、側頭動脈炎の症状として頭痛が出ることがあります。これらの疾患はすぐに治療する必要があります。頭痛で今までと違う痛みや強さのときは自己判断せず、医療機関にかかることが大切です。 (頭痛の原因分類については問題解決型救急初期診療第2版 田中和豊著を参考にしました)     

 次回は9月30日ごろ更新予定です。


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